Sweet Memory 1「研修」

この時期になると特に思い出すことがあるんです。

 

 

2015年4月1日に某航空会社の旅客担当地上職に採用され、その日から約7日間の研修が空港近くの某所にある研修センターであったんです。同期は僕を含めて6名。男性は僕を含めて2名、女性は4名。新卒が2名であとは中途採用でした。そして、新卒のお二人の女性のうちのお一人が、今僕の運命なり人生を大きく左右しているあの人です。この研修期間には僕の密かな幸せの時間があったんです。もう時効なので白状します(笑)。

 

 

研修センターでは座学を受けていましたが、いつも僕の視界の中には大好きなあの人がいました。いえ、いるように着席していたんです。初出社日の集合場所では僕自身全く気づかなかったけど、いつの間にか大好きなあの人に心を奪われていたんですね。研修中は時々そっとあの人を見つめていました。何てかわいらしい人なんだろう…。今思うと、研修どころではなかったような気がします。

 

 

研修中はあの人を含めて同期3人の送迎を僕の車でやっていました。他の人は自分の車を持っていたんです。研修場所から空港の間はバスで移動できたけど、4月とはいえ朝夕はとても寒くてバス待ちはかなりつらい。空港からお住まいの間は電車と徒歩だったようです。会社のシステムで交通費は一時的に立て替える方式だったけど、何もそんなお金を使う必要もない。最初は本当に善意から送迎をしていました。朝は空港で待ち合わせて研修場所へ、帰りは空港かお住いの近くまでお送りしました。帰りだと空港以外なら順番に送ったのですが、都合上大好きなあの人がどうしても最後になってしまう。でも僕はそれがうれしくてうれしくてたまらなかった。僕の車で大好きなあの人と時空間を共有できる。落ち着いているふりをしてたけど、実際はワクワク、ドキドキ。大好きなあの人が僕の後ろにいる…。この時間が永遠に続いてほしい、時が止まってほしい、事故か何かで長時間渋滞となってくれ…なんて何度思ったことか。最後の送迎となった日、大好きなあの人が降りて後ろ姿が見えた瞬間、僕はものすごく寂しくて車から飛び出し「まりなさん、待って! 行かないで!」と叫ぶ寸前でした。もしあの時に飛び出していたら、思いっきり抱きしめてしまったはずです。そんな気持ちを必死で抑えてました。意外と僕にもそんなところがあるんだ、と我ながら今でもびっくりしてしまいます。僕はどちらかというと無表情というかクールというか、女性に対してもそんな感じだったんです。こんなことは今まで一度もありませんでした。

 

 

そんな幸せな研修期間も終わって現場へ配属されました。当時現場にはグループが3つあり、僕たちは2名ずつクループ分けされることになりました。大好きなあの人と一緒のグループになりますように…。いよいよグループ分けが発表され、結果は残念にも別々のグループに。「なんで一緒にしてくれないの?」と、自分の運命を何度恨んだことか。

 

 

一度だけあの人を含めて同期4名で夕食を共にしたことがあるんです。急に僕が言い出して実現したのですが、大好きなあの人と1分でも長く一緒にいられる時間が欲しかったんです。その後訪れる悲劇を僕の体のどこかで感知していて、だから急にそして無意識に僕から誘ったのかもしれません。そして「また同期会をやろう」と僕から言っておきながら突然☆彡から引き離されてしまい、実現することはもうありませんでした。実はいろんな候補を見つけてたんです。もっともっとあの人と時間を共有したかったから…。この悔しさ、分かってくれますか? 今でも本当に辛くて、辛くて、何度悔し涙を流したことか…。男だってこんなことはあるんですよ。

 

 

大好きなあの人に伝えたい。僕の車の助手席、空けて待ってるよ。さあ、早く乗って! 一緒にさすらいの旅に出ましょ、あっ、その前にコカ・コーラゼロ買っていい?

 

 

そんな日が早く来てほしい、と願う毎日。さてと、明日も頑張ろう。