air conditioner

今日も暑い…。僕の自室はエアコン切の状態では早朝の時点で32℃前後、日中は36℃を超えます。日中はエアコンなしではとてもいられません。では、設定温度は何℃かというと冷房30℃です。これでも十分に涼しい。冷たい空気は重くて床に溜まるので、小型送風機を使って下から上に風を送ってやります。

 

 

さて、航空機にはエアコンが付いているか? 厳密に言うと冷暖房はついているか? 結論から言うと、基本的に暖房だけです。

 

 

なぜか?

 

 

上空の空気が冷たいから、です。

 

 

気象の難しい知識は抜きにして、空気の温度に関するお話。空気は上に上がっていくにつれて温度が下がっていきます。エアラインに乗るとシートに取り付けられたモニターに「現在の飛行高度での気温」が表示されるものがあるのでご存知だと思うけど、巡航高度で水平飛行しているときはマイナスの気温になっているはずです。

 

 

「国際標準大気の気温減率=-6.5℃/1,000m -2℃/1,000ft」

「乾燥断熱減率=-1℃/100m -3℃/1,000ft」

「湿潤断熱減率=-0.5℃/100m -1.5℃/1,000ft(平均。水蒸気の量で変動)」

これは、標高が上がっていくにつれて低下する温度の数値です。「国際標準大気」というのは標準大気という仮定の大気状態(海面上気温15℃、海面上気圧29.92inch、水蒸気を含まない乾燥空気である、などなど)が定義されていて、いわばモデルケースみたいなものです。そして、実際の空気には水蒸気が含まれているから、その空気が冷えていく率を「湿潤断熱減率」と言います。長くなってしまうので簡単に言うと、場合によっては、からっからの水蒸気(湿度)なしの空気も存在するので、その場合の乾いた空気が冷えていく率を「乾燥断熱減率」と言います。

 

 

例えば富士山(12,389ft)はどうか?

仮に標高が0ftで気温が30℃だったら、約25℃下がるのでおよそ5℃。モデルケースなのであくまでも「平均値」だけど、間違いなく寒い。(湿度で減率が変わるため)

 

 

この原理を利用しているから、航空機には基本的に冷房がありません(エアラインのような航空機は詳しく知りません。地上にいる時でも接客上涼しくする必要があるからね)。僕が操縦するセスナ機の場合はヒーターだけです。機体前面に外気取り入れ口があって、その空気が機内に入ってくる構造になっています。冬など寒い時は、その空気を加熱して調整してやればいいのです。ちなみに、僕が飛行したことのある最高飛行高度はアメリカでの8,500ft。当時の気温がどのくらいだったのか記録を出してくればわかるんだけど、仮に標高が0ftで30℃だったら、17℃下がるから13℃になるはずです(あくまで平均値ね)。やっぱり涼しいですよね。実際にエアコンなしで十分にいられましたから。

 

 

ただし、セスナ機の場合は地上にいる時が地獄たった…。地上では動いていても低速だから外気なんてそんなに入ってこないし、そもそも地上はリアルに暑いから側面のウインドウをオープンにするか、ドアを半開きにしてないといられなかったですね。そして、ラスベガスで長時間駐機したときなんかは操縦室にプロッターというプラスチックの分度器と物差しがくっついたようなパイロットグッズを放置していたら、暑さで見事に変形してしまって使い物にならなくなり、あわてて新しいものを購入したという…。

 

 

上空の空気がお家の中に入ってきてくれたら電気代浮くんだけどなあ…。