航空機はどこでも離着陸してよいか?

ヘリコプターはどんな場所でも離着陸できるし滑走路もいらない。セスナ機だって4~500mの長くて平らな場所があれば離着陸できる。

 

 

では、そのような場所があったら、いつでもどこでも離着陸してよいか?

 

 

答えは「ダメです」。

 

 

航空法第79条 航空機(国土交通省令で定める航空機を除く。→これは、滑空機、いわゆるグライダーを指しています)は、陸上にあっては空港等以外の場所において、水上にあっては国土交通省令で定める場所において、離陸し、又は着陸してはならない。ただし、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りではない。 

と定められています。

 

 

おまけに、このルールを破ったら、

航空法第154条 航空機乗組員が次の各号のいずれかに該当するときは、50万円以下の罰金に処する。

一、第79条の規定に違反して、航空機を離陸させ、又は着陸させたとき

(以下省略)

 

 

プラス

航空機は飛行するときには飛行計画を通報しなければいけません。事前に許可を受けずに離着陸するのだから、この飛行計画も提出していないはず(仮に通報しても受理してもらえないですよね)。なので、ここでも罰金50万円。前科2犯になって、罰金100万円です。

 

 

100万円ですよ、100万円! こんなことで前科者にもなるんだ。 

 

 

「ただし、国土交通大臣の許可を受けた場合は…」とあるけど、これは、俗に言う臨時ヘリポートや場外へリポートのような「飛行場外離着陸場」での離着陸を指しています。やはり好き勝手にどこでも離着陸してよいわけではありません。一度申請すると基本的に3ヵ月間有効で、何も問題がなければ以後3ヵ月に一度の更新をすればいいとのこと。でも、この申請が面倒…。現地調査をして図面を書いて提出しないといけないし、申請して何日も待たなくてはいけない。平時ならいいけど、有事の時にこれでは迅速な支援活動なんてできないですよね。

 

 

この法律の条文、阪神淡路大震災のときはかなり問題となりました。官庁・自衛隊のヘリは特例扱いで問題にはならなかったんだけど、あの大災害では数が足りない。しかし、民間機が支援活動をしようとしてもこの条文が大きく邪魔をしました。

 

 

近年自然災害が多発し、災害規模も大型化しています。東日本大震災ではさすがに国土交通省の対応も変化して「航空局に事前に連絡をくれれば、その場で口頭許可を出す」ということになったとか。この大震災では、民間機での支援活動は事故もなく、安全に活動したこと、支援活動に対してもかなり有効であったことから、以後の災害発生時では救援活動を行う航空機に限って法律の適用・制限の緩和措置が取られることになったそうです。

 

 

ちなみに、高速バスに乗り遅れた人をサービスエリアまでヘリで送ったという珍事件がかつてありました。どうなったかと言うと…逮捕されました。

 

 

最近はドクターヘリが注目を集めていますが、セスナ機だって平らでそこそこの長さがあれば離着陸できます。障害物がなければ道路でも離着陸できる! 通勤やデートで自宅前から離着陸…なんて夢のまた夢だけど、技術上はできるんですよ。

 

 

彼女のお家の前へセスナ機で降りてきたら…お相手はどんな反応をするでしょうね(笑)。