エアラインが行う計器飛行方式(IFR)とは

これまでに「計器飛行方式(IFR)」という言葉が出てきたので、今回はこれについてのお話です。

 

 

①航空機の飛行方式には「有視界飛行方式」と「計器飛行方式」の2種類があり、エアラインでは「計器飛行方式」で運航されている。

②計器飛行方式は、Instrument Flight Rules(=IFR)と言い、航空交通管制(ATC)のクリアランスに従って飛行すると共に、常に管制官の指示に従って飛行する方式である。

→速度、高度、針路(ヘディング)などが指示されます。

③IFRで飛行する航空機は、離陸及び着陸のためにぞれぞれ最低気象条件が定められている他は、飛行中法律による気象条件の制約を受けない。だから天気が悪くても飛行できる。

→上空は基本的に障害物がないので雲の中だろうが低視程だろうが前が見えなくても問題ないんだけど、例えば着陸時は滑走路にちゃんと着地しなければならないので、最終的に操縦士が滑走路を視認できなければいけません。なので、滑走路の進入端から特定の距離及び高さのポイントで滑走路やその付帯設備が見えるかどうか(見えたら着陸、見えなければ着陸は中止)、という条件が定められています。この条件というのは、基本的に「視程」です。

④IFRで飛行中の航空機には管制機関によって他のIFR機との間に一定以上の間隔が確保されており、離着陸時及び操縦士の目視による飛行が行われる場合を除き地表面・障害物との間隔は承認された飛行の方式(=高度を含む飛行ルート)によって保障されている。

→他の航空機とは基本的に距離による間隔で安全を確保しています。地表や障害物はあらかじめ高さが分かっているのでその上空何フィート以上というように安全高度を決めて飛行できる範囲(空間)を定めています。その定められた範囲(飛行ルート)を飛行する分には外が見えていなくても安全に飛行できる、というわけです。

⑤上記④だからと言って、操縦士は外部監視(=機外前方の監視)をしなくてもよいわけではなく、操縦士は飛行中外部の視認が不可能な気象状態(=雲の中など)である場合を除き、常に外部を目視により監視して衝突を避けなければならない。

→上空はレーダーによってくまなく監視されています。基本的には問題ないのですが、管制側はレーダーで捉えられた航空機しかその存在はわかりません。レーダーなどの機器の不具合もあるだろうし、管制官も人間だからミスをしてしまうかもしれません。それに、レーダーで確認されていない飛行物体がないとも言えないんです。例えば、最近では有名になったけど、ステルス戦闘機はレーダーに映りません。それに、鳥だっています。僕も経験ありますが、そこそこの上空を飛行中にかなり大きな鳥が突然コクピットのウインドシールドに近づいてきて、あわやぶつかりそうになったことがありました。思いっきり操縦桿を操作したのでかろうじて避けられましたが、セスナ機がひっくり返るかと思いましたよ。鳥くらいぶつかっても平気なんじゃないの?なんて思われるだろうけど、とんでもない。間違いなくウインドシールドはバリバリになるだろうし、そうなったらハチの巣みたいになって前は見えないから飛行も着陸も困難になります。機体に当たったら間違いなく凹みます。セスナ機は機首(先端)にプロペラとエンジンが付いているから、巻き込まれたらエンジン故障だってあり得ます。不時着したら、きっとお巡りさんに犯罪者扱いされるだろうし、マスコミの餌食にもなるでしょう。これがエアラインの大型機で、相手が鳥ではなくて大型機だったら…あり得ない話ではあるけど、やっぱりそう考えたら怖いですよね。だから例え管制の指示に従って飛行していても、操縦士は外を見ていなければいけないのです。

 

 

今日はここまで。