アルコールと航空法

アルコールに関する航空法を抜粋します。

 

第70条(酒精飲料等)

航空機乗組員は、酒精飲料又は麻酔剤その他の薬品の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行ってはならない。

 

第149条(所定の資格を有しないで航空業務を行う等の罪)

次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

1・2 略

3 第70条の規定に違反して、その航空業務に従事した者

 

 

はい、これだけです。

 

 

酒精飲料と書くところがお役人の固さですよね。素直にアルコール飲料って書けばいいのに。「航空業務」とは「航空機に乗り組んで行うその運航(航空機に乗り組んで行う無線設備の操作を含む)及び整備又は改造をした航空機について行う第19条第2項に規定する確認」です。

👉この条文をそのまま解釈すると、操縦と無線設備の操作(交信など)をするな、とは言っています。でも操縦室に入るな、とは言っていません。まあ、操縦室に入るのは操縦士だけだし、操縦(+無線設備の操作)するために乗り込むわけだから、法的に業務が出来ない操縦士が操縦室に立ち入る必要はそもそもないんですけどね。よくない表現だけど、航空業務をしない限り(補助席で座っているだけ、とか)は違法ではない、と解釈できるのかな。ただし、会社の規則に違反する可能性はあるのでしょう。

 

 

個人的には、アルコールに関する条文はこれでいいのではないかと思います。「酒精飲料(中略)の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行ってはならない」、つまり、できない時はもちろんのこと、できないおそれのある時もダメだと言っているからです。

 

 

アルコールに関してはやはり個人差があります。「飲酒後〇時間」という時間で制限する方法がまず考えられますが、同じ量でもアルコールが抜ける時間は人それぞれです。そして、多量に飲めば必要な時間はどんどん伸びてきます。一律に時間で線引きできるものでもないと思うんです。具体的な数値を設定することはやっぱり無理だと思う。だから日々問題が発生しているのではないでしょうか。

 

 

アルコール検知器に関しても問題がないわけではありません。検知器自体はとても高性能なのですが、例えばモンダミンのような口内洗浄剤や食べ物に含まれるごく微量のアルコール成分(何かは今ちょっと思い出せないのですが)にも検知器が反応してしまうなど問題もあるんです。機器だけに、エラーがないわけではありません。なので、検知器だけに頼るのもよくありません。機械は万能ではありません。

 

 

やはり、アルコールに関しては本人の注意力や意識に頼らざるを得ません。そして、第三者の目と臭覚で防ぐしかないと思います。究極的には「飛ぶなら飲むな、飲んだら飛ぶな」となりますね。

 

 

その前に、なぜ勤務の合間のステイ時にお酒を飲む必要があるのだろうか。これはあくまで個人的な意見ですが、僕も飲食店などでエアラインの操縦士や客室乗務員と出くわすことがあります。勤務時間以外のことなので彼らがどこで何をしようと彼らの自由だし、僕がとやかく言うことでもない。ただ、その時間は次のフライトに備えるための休憩・睡眠時間でもあるはずなのだから、食事だけ済ませてあとはさっさと部屋で休むべきだと思う。飲酒を禁止するする必要もないとは思うけど、せめて飲むのならちょっと嗜む程度にするべきです。旅に出てるんじゃないんだからね。

 

 

僕がエアラインの人間なら、ステイ先でお酒は飲みません。遊びに行ってるんじゃないし、どうせ飲むならお仕事が終わってからにしたい。勤務から解放された後は制限がないからいくらでも楽しめるじゃないですか。そして、出先やステイ先では手早く食事だけしてすぐ休む。次のフライトに備える、万全な体調を整える、それが僕のポリシーでもあるからです。僕は某大手企業にいた時はそうしてましたよ。

 

 

最近、操縦士の飲酒によるトラブルがあったようですね。僕より先輩だし、そもそも僕は小型機の操縦士だから直接の関係はないけど、一言言いたい。

「飲むな、とは言わない。でも勘違いしてはいけないよ。あなた方は遊びに行ってるんじゃないんだよ」